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継体の不審死と磐井の乱~磐井を賊にして王朝交代は隠蔽された~騎馬民族北方系渡来人のエラーコラム特別編

【 第五百二十一回~第五百三十回】

第五百二十一回第五百二十二回第五百二十三回/ 】 ※google map以外の衛星画像は国土地理院の電子地形図を加工して作成しています。
継体の不審死と磐井の乱~磐井を賊にして王朝交代は隠蔽された
第五二十三回「日本国内の朝鮮半島系副葬品出土大規模古墳の縄文語解釈/新沢千塚周辺(鳥屋ミサンザイ古墳・桝山古墳・丸山古墳・益田岩船)」
■■■ 新沢千塚 ■■■
(四世紀~七世紀/群集墳/奈良県橿原市北越智町・川西町)
※126号墳で新羅系の龍文透彫金製方形板出土

◎縄文語:「新沢(千塚)」= 「ニセィ・ワ」=「川岸の崖の・岸、ふち」


 群集墳なので縄文語解釈しても仕方がないと思いましたが、地勢を見事に表現しています。多くは「川西町」にあります。

◎縄文語:「川西(町)」= 「ケゥ・ニセィ」=「死体の・川岸の崖」
※川岸の古墳の丘陵

 新沢千塚の東方に接するように「鳥屋ミサンザイ古墳」があります。

◎縄文語:「ミサンザイ古墳」= 「ムィェ・サン・チャ」=「入り江が・前にある・館」※周濠のある古墳、水辺の古墳
(六世紀前半/前方後円墳/墳丘長130m/)

 ミサンザイ古墳は他地域にも複数ありますが、すべて大きな”周濠のある古墳”です。所在地の「鳥屋」も周辺地勢を的確に表現しています。

◎縄文語:「鳥屋(町)」= 「タオ・ヤ」=「水際の高所の・岸」


 新沢千塚が西に接しています。そしてこの鳥屋町と新沢千塚の川西町に挟まれるように「北越智町」があります。

◎縄文語:「(北)越智(町)」= 「オン・チゥ」=「古い・水流、水脈」※水たまり

 ミサンザイ古墳の南方約300mには「桝山古墳」があります。これも鳥谷町で、水辺にあります。小屋谷池です。

◎縄文語:「桝山(古墳)」=「マーテュ・ヤマ」=「波打ち際の・山」
(五世紀前半/方墳/一辺85m/鳥屋町)

 「桝山」は、通説にあるような「方墳」の形状を表現した「升形の山」の意ではありません。こういった漢字表記に引きずられては黎明期の日本の歴史はいつまでも闇の中です。

■新沢千塚周辺の縄文語解釈(国土地理院の電子地形図を加工して作成)


 この周辺は、水辺の地勢で一致しています。
 東には高取川が北流していますが、平安初期にはこれをせき止めて広大な「益田池」なるものが築かれています。高取川東岸には六世紀後半に築造された「丸山古墳」があります。古くは「五条野丸山古墳」と呼ばれていました。

◎縄文語:「益田(池)」=「マーテュ・タ」=「波打ち際・の方」
◎縄文語:「五条野/丸山(古墳)」=「コッチャ・ノッ/マ・オロ・ヤマ」=「窪地、谷のほとりの・岬/谷水・のところの・山」
(六世紀後半/前方後円墳/墳丘長318m/橿原市見瀬町・五条野町・大軽町)

 「五条野」 =「丸山」で言い換え表現になっていることが分かります。
 日本全国「丸山古墳」は「水辺の山(古墳)」あるいは「周濠のある山(古墳)」の意です。この橿原市の丸山古墳が高取川のほとりに築かれた”前方後円墳”ですから、言い訳ができません。

 一方、高取川西岸には「沼山古墳」がありますが、これはあべこべに「水辺の古墳」の意ではありません。

◎縄文語:「沼山(古墳)」=「ヌ・ヤマ」=「球、果実の・山」
(六世紀中葉~後半/円墳/径18m/橿原市白橿町)

 こちらは「円墳」の形状を表現したものと捉えられます。
 所在地の「白橿町」は「益田池」の場所と重なるので、

◎縄文語:「白橿(町)」=「シ・オ・コッ・チャ」=「山・裾の・窪地の・岸」

 と解釈するのが妥当です。

 この沼山古墳を見下ろすように、西側の高台には謎の「益田岩船」があります。巨岩に穴を穿ったものですが、現在でもその用途は謎に包まれたままです。これも縄文語解釈すると、その用途をほぼ推測することができます。

◎縄文語:「益田岩船」=「マーテュ・タ・イワ・ポイナ」=「波打ち際・にある・先祖を祀る神聖な山の・石」

 山の上で祭祀が行われていたということです。群馬県と長野県にまたがる荒船山も「ア・ポィナ=一方の・石、岩山」の意で決して「船の形」を表現した名称ではありません。

 益田岩船と鳥屋ミサンザイ古墳の間には「小谷古墳」があります。これも「水辺の古墳」の意で、西に接する「北越智町」とほぼ同義です。

◎「小谷(古墳)」=「オン・テイネィ」=「古い・湿地」

(七世紀/墳長30m前後)
◎縄文語:「(北)越智(町)」= 「オン・チゥ」=「古い・水流、水脈」※水たまり

 総括すると、この地域は平安初期に益田池が築かれる前から、湿地帯で、それを的確に表現した古墳、地名が散見されるので、古墳築造時期の縄文語使用は確実です。「桝山古墳」も「波打ち際の山」の意で、漢字表記に引きずられた「升形の古墳=方墳」の意ではありません。



第五百二十一回第五百二十二回第五百二十三回/ 】 ※google map以外の衛星画像は国土地理院の電子地形図を加工して作成しています。
継体の不審死と磐井の乱~磐井を賊にして王朝交代は隠蔽された
第五二十一回「日本国内の朝鮮半島系副葬品出土大規模古墳の縄文語解釈/五條猫塚古墳(奈良県)」
■■■ 五條猫塚古墳 ■■■
(五世紀中葉/方墳/径約32m/周濠あり/奈良県五條市)
※新羅系の龍文・草葉文透彫製品出土

◎縄文語:「猫塚(古墳)」
=「ナィコッ・テュ」=「涸れ沢の・小山」
or「ノッケ・テュ」=「岬の・小山」


 猫塚古墳周辺には古墳が点在していて「近内古墳群」と呼ばれています。「向山丘陵」と呼ばれる起伏の多い谷が豊富な地形です。この「近内」と「向山」という地名も周辺の地勢を的確に表現しています。「猫塚」の解釈とも辻褄が合います。

◎縄文語:「近内(古墳群)」=「テュ・ウテュ」=「小山の・間」
◎縄文語:「向山(丘陵)」=「ムィェ・カィ・ヤマ」=「頂が・折れている・山」
※起伏の激しい山

 「向山」は六甲山の別名である「向津峰」と類似表現です。

◎縄文語:「向津(峰)」=「ムィェ・カィ・テュ」=「頂が・折れている・峰」
◎縄文語:「六甲山」=「ルッケイ・サン」=「崩れているところ・の出崎、平山」


 近内古墳群の他の古墳も簡単に縄文語解釈可能です。いずれも地勢と一致しています。


■近内古墳群の縄文語解釈(国土地理院の電子地形図を加工して作成)


◎縄文語:「鑵子塚(古墳)」=「カス・テュ」=「山or川を越える(場所にある)・小山」

(五世紀前半/円墳/奈良県五條市近内町/近内古墳群)

 「鑵子塚」という名称の古墳は複数存在します。円墳のほかにも前方後円墳にも見られるので、所謂「鑵子」由来の古墳形状を表現した名称ではありません。他の鑵子塚を参考にすると、ほぼすべて”峰の間、入口”の地勢であることが分かります。兵庫県加西市のクワンス塚古墳は「池沼を渡るところ」の意ともとれます。

【参考】古墳名に「鑵子」のつく古墳
◎掖上鑵子塚古墳(奈良県御所市柏原/五世紀後半/前方後円墳)⇒google map
◎真弓鑵子塚古墳(奈良県高市郡明日香村/六世紀中頃~後半/円墳)⇒google map
◎与楽鑵子塚古墳(奈良県高市郡高取町/六世紀後半/円墳)⇒google map(同上)
◎別所鑵子塚古墳(奈良県天理市別所町/六世紀前半/前方後円墳)⇒google map
◎母神山鑵子塚古墳(香川県観音寺市/六世紀後半/円墳)⇒google map
◎鹿隅鑵子塚古墳(香川県観音寺市)⇒google map
◎クワンス塚古墳(兵庫県加西市/五世紀前半/円墳)⇒google map


◎縄文語:「青墓or大墓(古墳)」=「アゥ・パケ」=「枝分れた・岬」
(四世紀後半/方墳/奈良県五條市)

 これは、所在地の地勢を表現しています。この古墳の所在地名である「荒坂」は「青墓」と同義で言い換え表現となっています。

◎縄文語:「荒坂(峠)」=「ア・サン・カ」=「一方の・出崎、平山、坂・の上」

 「青」「淡」は「アゥ=枝分れ、隣」、「荒」「新」は「ア=一方の、片割れの」に頻繁に充てられる漢字です。「淡海」は「近い淡水湖」ではなく「アゥ・メ=枝分れた、隣の泉」、「荒川」は「荒れる川」の意ではなく、「一方の川」。近隣の本流、あるいはより大きな河川との対比表現です。「タマ川」も同義です。「タン・マ=こちらの・谷川」。
 おまけ。「遠江=テューテュ・モィ=出崎の・入り江=浜名湖」≠「遠い淡水湖」。日本の通説がいかにデタラメを語っているか。記紀風土記を先生にしているうちはこういう現象が続きます。

◎縄文語:「西山(古墳)」=「ニセィ・ヤマ」=「川岸の崖の・山」
(五世紀中葉~後半/方墳/東西約43×南北約48m/奈良県五條市)

 宇智川の河岸段丘を指していると捉えられます。

◎縄文語:「丸山(古墳)」=「マ・オロ・ヤマ」=「谷水・のところの・山」
(五世紀中葉/円墳/径約37m/奈良県五條市)

 「丸山古墳」は日本全国「水辺の古墳」あるいは「周濠のある古墳」の意です。近内丸山古墳はまさに池沼端にあります。

◎縄文語:「つじの山(古墳)」=「テューテュ・ヤマ」=「出崎の・山」

 低い丘陵の先端に築かれた古墳です。


第五百二十一回第五百二十二回第五百二十三回/ 】 ※google map以外の衛星画像は国土地理院の電子地形図を加工して作成しています。
継体の不審死と磐井の乱~磐井を賊にして王朝交代は隠蔽された
第五二十二回「日本国内の朝鮮半島系副葬品出土大規模古墳の縄文語解釈/新開1号墳(栗東市)周辺」
■■■ 新開1号墳 ■■■
(五世紀前半/円墳/径約25m/周濠あり/滋賀県栗東市)
※新羅系の龍文・草葉文透彫製品出土

◎縄文語:「新開(古墳)」 =「シ・カ」=「山の・ほとり」

 一応縄文語解釈しましたが、地名由来の古墳名なので、縄文語解釈してもあまり意味はありません。日本全国地名はほぼすべて縄文語(アイヌ語)由来です。

 近隣には、新開古墳と同時期築造、五世紀では近江最大の「椿山古墳」があります。

◎縄文語:「椿山(古墳)」 =「チゥ・パケ・ヤマ」=「水流、水脈の・岬の・山」※周濠のある古墳
(五世紀前半~中葉/帆立貝形古墳/墳長99m(※濠135m)/滋賀県栗東市)

 これは”周濠のある古墳”の意ですが、南西約1.6kmの「地山古墳」も同類の名称です。「地山古墳」は椿山古墳にやや先行すると見られています。

◎縄文語:「地山(古墳)」 =「チゥ・ヤマ」=「水流、水脈の・山」※周濠のある古墳
(五世紀前半/帆立貝形古墳/墳長90m/滋賀県栗東市)

 さらに地山古墳より先行する古墳として、南東約600mに「下戸山古墳」があります。これも地勢と一致する縄文語解釈が可能です。金勝山地から伸びる丘陵の先端に築かれた古墳です。

◎縄文語:「下戸山(古墳)」 =「シ・ムィ・タ・ヤマ」=「最も・頂・の方の・山」※峰の先端の古墳
(四世紀末~五世紀初頭/前方後円墳/墳長50m/滋賀県栗東市)

 これは、大分県臼杵市の「下山古墳」と同じ地勢、同じ命名由来となっています。

◎縄文語:「下山(古墳)」 =「シ・ムィ・ヤマ」=「最も・頂の・山」※峰の先端の古墳

 結論、栗東地域での古墳築造時期の縄文語使用の可能性は高いと言えます。


■栗東新開古墳周辺の縄文語解釈(国土地理院の電子地形図を加工して作成)

■大分県臼杵市、臼塚古墳と下山古墳周辺の縄文語解釈(国土地理院の電子地形図を加工して作成)



第五百二十一回 第五百二十二回 第五百二十三回/ 】

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◎参考文献: 『地名アイヌ語小辞典』(知里真志保著、北海道出版企画センター)※参考文献を基に、筆者自身の独自解釈を加えています。/『日本書紀 全現代語訳』(宇治谷孟 講談社学術文庫)/『古事記 全訳注』(次田真幸 講談社学術文庫)/『風土記』(中村啓信 監修訳注 角川ソフィア文庫)/『古語拾遺』(西宮一民校注 岩波文庫)/『日本の古代遺跡』(保育社)/wikipedia/地方自治体公式サイト/ほか

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