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No.10 「羽衣」は単なる「岬の頭」!「羽衣伝説」は縄文語に渡来系物語が便乗しただけだ!
【羽衣伝説要約】※wikipedia引用
「水源地(海岸・湖水)に白鳥が降りて水浴びし、人間の女性(以下天女)の姿を現す。
天女が水浴びをしている間に、天女の美しさに心を奪われたその様子を覗き見る存在(男、老人)が、天女を天に帰すまいとして、その衣服(羽衣)を隠してしまう。
衣類を失った1人の天女が飛びあがれなくなる(天に帰れなくなる)
日本の羽衣伝説では、ここから近江型と丹後型でわかれる。
●近江型(昇天型)
天に帰れなくなった天女は男と結婚し子供を残す(幸をもたらす)。
天女は羽衣を見つけて天上へ戻る 。
●丹後型(難題型)
天に帰れなくなった天女は、老夫婦の子として引き取られる 。
天女は酒造りにたけ、老夫婦は裕福となる 。
老夫婦は自分の子ではないと言って追い出す 。
天女はさまよった末ある地に留まる(トヨウケビメ)。」
羽衣伝説の場合は、朝鮮半島や中国、ベトナムなど、東アジア、東南アジアほか、フランスにも似たような伝説があります。因幡の白兎の場合も「子鹿とワニの物語」という南方系の物語に類型があるので、これらの大元の物語を探ると、記紀や風土記の編纂に関わった渡来系の人々のルーツを探ることができます。
羽衣伝説の問題を解く鍵は「羽衣(はごろも)」という日本語の発音にあります。中国語では「ウイ(yǔyī)」、韓国語でも「ウウィ(uɰi)」です。
筆者は、この「はごろも」の出所も、縄文語(アイヌ語)ではないかと疑っています。
◎縄文語:「羽衣(はごろも)」=「パケ・ルム」=「岬の・頭」
※「岬」は内陸の同様の地形も指す
日本に伝わる羽衣伝説のすべてが「岬or山」と「泉」に関係があります。「岬or山」は縄文語が示す地勢由来で、「泉」は羽衣伝説の物語由来です。
以下、羽衣伝説の残る各地の地勢を見てみます。解釈確度を上げるために周辺地名も解釈します。
■大阪府交野市天野川流域 ※岬の突端
天野川の谷の出口に「私市(きさいち)」という地名がありますが、日本書紀には天皇の「妃(きさき)」の用事をする役所を私府(きさふ)、妃のための農耕をした人々を私部(きさべ)というとあります。その私部の中心の村が「私部内」と呼ばれ、それが訛って「私市」となったとするのが通説(※参考:大阪府HP)らしいですが、このような漢字こじつけ説は筆者にはまったく信じられません。
◎縄文語:「私市」=「キサル・エテュ」=「耳の形のように出っ張った・岬」
これはどう考えても天野川の谷の出口の地勢です。「羽衣=パケ・ルム=岬の・頭」とも整合性がとれます。
また、千葉県の木更津も「キサル・テュ=耳の形のように出っ張った・岬」の意で似た語源と考えられます。⇒google map
日本武尊が身投げした妃の弟橘媛を偲んで「君去らずと言ったので木更津という」との伝承がありますが、もちろん漢字表記からのこじつけ物語で事実ではありません。
■大阪府高石市羽衣 ※上町台地の岬の突端
所在地の高石市を縄文語解釈します。
◎縄文語:「高石」=「トク・エテュ」=「突起した・岬」
また、羽衣地区の東には「鳳」地区があります。
◎縄文語:「鳳」=「オオ・トク・ルム」=「大きく・突起した・岬」
or「オオ・タオル」=「大きな・水際の高台」
これらは、上町台地の岬を指したのではないでしょうか。いずれも「羽衣=パケ・ルム=岬の・頭」と完全に解釈が一致します。
■滋賀県長浜市余呉湖 ※岬に囲まれた湖
湖の南には柴田勝家と秀吉が戦ったことで有名な賤ヶ岳があります。これを縄文語解釈します。
◎縄文語:「賤ヶ(岳)」=「シテュ・ケ」=「大きな峰の・ところ」
「羽衣=パケ・ルム=岬の・頭」と非常に相性のいい解釈です。 また、反対側の湖の北方には、秀吉が拠点として築いた堂木山砦があります。これも縄文語解釈すると、
◎縄文語:「堂木山」=「トク・ケ・ヤマ」=「突起した・ところの・山」
となり、「羽衣=パケ・ルム=岬の・頭」と完全に解釈が一致します。
■千葉県千葉市(羽衣の松) ※岬の突端(拡大地図で地形表示にすると分かりやすい)
所在地の地名は「武石町」です。これを縄文語解釈すると、
◎縄文語:「武石町」=「トク・エテュ」=「突起した・岬」
となり、大阪の高石市と完全一致、滋賀県の余呉湖北方の堂木山と同義となり、「羽衣=パケ・ルム=岬の・頭」とも解釈が一致します。
■鳥取県東伯郡湯梨浜町羽衣石 ※天険の要害、羽衣石城
鳥取県の「羽衣石」の場合は、読みは「うえし」ですが、「羽衣」という漢字が充てられた結果、「羽衣伝説」が結びつけられたと考えられます。「うえし」は明らかに日本語ではありません。縄文語解釈すれば、
◎縄文語:「羽衣石(うえし)」=「ウェン・シル」=「険しい・山」=要害の羽衣石城がある羽衣石山
と捉えることができます。「羽衣=パケ・ルム=岬の・頭」という解釈も可能なので、両方の呼び名があったのかもしれません。
■京都府京丹後市峰山町 ※峰の突端 ■静岡県静岡市清水区三保の松原 ※岬の突端 ■千葉県佐倉市 勝胤寺(千葉石) ※岬の突端 ■沖縄県宜野湾市真志喜 ※岬の突端
このようにすべて、「山or岬の突端」が関係していることが分かります。つまり、縄文語で「パケ・ルム」と呼ばれていた地名に、上代日本語の漢字の読みを機縁として、渡来系の「羽衣伝説」の物語が結びつけられた可能性が高いということです。
そして、この渡来系の物語の出所が、記紀や風土記の編纂に関わった人物たちの故地の可能性が高いということにもなります。
▼目次
第一部 「縄文語と上代日本語の隠された境界線」
【百済系敏達天皇で王朝交代!蘇我氏本家を滅ぼし、大化の改新は言語まで変えた!】
第二部 「記紀、風土記のウソを徹底的に暴く」
【No.1】香久山は「弓の形の山」だ!風土記は後世の人々を騙すためのデタラメが満載!
【No.2】愛宕山は「ぽつんと離れた山」の意!「カグツチ」という火の神などいない!
【No.3】住吉三神は「六甲山の自然崇拝」。海の神ではない!
【No.4】仲哀天皇偽陵の「五色塚古墳」は「岩崖の墓」の意だ!
【No.5】「処女塚」も「求女塚」も悲恋物語とは関係ない!「砂浜の入り江の古墳」の意だ!
【No.6】「因幡の白兎」も大ウソこじつけ物語!「将軍塚」に将軍は眠らない!
【No.7】「稲荷神」「狐」もデタラメ!お揚げをお供えしても無駄!
【No.8】「八雲立つ出雲」は「先住民の入り江」!宮崎の巨大古墳「弥五郎塚」は「先住民の墓」!
【No.9】「八幡大神」などいない!八幡と富士見は同語源の「川端」!「富士山が見える」のは偶然だ!
【No.10】「羽衣」は単なる「岬の頭」!「羽衣伝説」は縄文語に渡来系物語が便乗しただけだ!
【No.11】「天日槍」は新羅から来ていない!城崎温泉から来ただけだ!
【No.12】本当に「高麗」に高麗人が移り住んだのか?全国の「高麗」の地勢は「湾曲した川」だ!
【No.13】「甲斐の黒駒」は本当に馬か?全国の「黒駒」の地勢は「山裾の湾曲した川」だ!
【No.14】「百済」は「川や湾の入口」の意!風土記はしゃあしゃあとウソをつく!
【No.15】ウソつき神様大集合!天照、事代主、八幡、稲荷、住吉、金刀比羅のデタラメを暴く!
【No.16】地名の八王子も王子信仰もウソっぱち!牛頭天王も縄文語の地名に空想物語が便乗しただけ!
【No.17】旧国名はデタラメ由来だらけ!常陸、総、伊豆、駿河、尾張、伊勢、伊賀、摂津、豊、筑紫、肥、日向、風土記は悪意に満ちた大ウソつきだ!
【No.18】「椀貸」は「岸の外れ」の意!椀貸塚古墳は「椀」を貸してはくれない!
【No.19】「造山」「作山」は「自然地形を利用した古墳」の意だ!「作石」の石の宝殿は「あの世への入口」だ!
【No.20】「銚子塚古墳」は「中くぼみの山」で「前方後円墳」の意!酒器の「銚子」とは似ても似つかない!
【No.21】まんじゅう、松、馬、万、升、窓、古墳も地名もすべて「マーテュ=波打ち際」の意!風土記に騙されてはいけない!
【No.22】楯縫は楯を作っていない!「こちらの湿地」の意だ!
【No.23】「日置」は「山裾」の意、「日置部=砂鉄の生産地」ではない!
【No.24】「金鶏伝説」のデタラメを暴く!「金の鶏」など埋めていない!
【No.25】「薬師如来」も縄文語に便乗しただけ!全国の「薬師」は「岸の末端」だ!
【No.26】「荒川」は「荒れる川」ではない!「タマ川」と同義、「一方の川」の意だ!
【 あ と が き 】
