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日出ずる国のエラーコラム


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日出ずる国のエラーコラム[総集編]
No.3 住吉三神は「六甲山の自然崇拝」。海の神ではない!
 第十四代仲哀天皇の皇后である神功皇后は、三韓征伐の帰りに「大津渟中倉之長峡」で住吉三神を祀っています。
 この「大津渟中倉之長峡」は通説では大阪の住吉大社とされていますが、神戸市東灘区の本住吉神社にも同様の説があります。筆者の縄文語解釈では、明らかに神戸市の本住吉神社の方が優勢です。
 まずは日本書紀記載内容要約。

<日本書紀要約>
「神功皇后は忍熊王が待ち構えているのを聞いて、<中略>難波に向かったが、船がぐるぐる回って進まなかった。務古水門(武庫の港)に還って占った。<中略>表筒男、中筒男、底筒男の和魂を大津渟中倉之長峡(おおつのぬなくらのながお)に祀ると、無事海を渡ることができた。」

 そもそも、日本書紀記載の神功皇后周辺の物語は、応神天皇の出生や武内宿禰の長寿など、あまりにも不自然で信憑性に欠けるので物語の内容自体を重視する必要はまったくありません。しかも、第十一代垂仁天皇から数代の間は、邪馬台国の卑弥呼の後を継いだ台与の事績を隠蔽するために物語が創作された可能性すらあります。同時代の尾張氏の系譜にも、それと符合するように、付け加えられたと思われる無駄な系譜が挟まっています。

 重要なのは、この住吉三神がもともとどこに祀られていた神かということです。日本書紀記載の物語は、おそらくその場所を想定してこじつけ創作されたものです。
 この住吉三神がどのような神かと言えば、

<日本書紀要約>
「イザナギが黄泉の国でイザナミと別れた帰り、筑紫で禊した際に、水の底で底筒男命、潮の中で中筒男命、潮の上で表筒男命が生まれた。 」

 ということで、広く「航海の神」「豊漁の神」として信仰されています。
 住吉三神を縄文語解釈します。

◎縄文語:「底筒男」=「ソコッ・テューテュ・オ」=「滝壺の・出崎の・尻」
 =滝がたくさんある出崎のふもと
◎縄文語:「中筒男」=「ナィコッ・テューテュ・オ」=「水のない涸れた沢の・出崎の・尻」
 =断層谷のある出崎のふもと
◎縄文語:「表筒男」=「ウェン・テューテュ・オ」=「険しい・出崎の・尻」
 =岩崖の出崎のふもと

 つまり、これらはすべて、有馬四十八滝、蓬莱峡、地獄谷、芦屋ロックガーデンや須磨アルプスを有する「六甲山のふもと」ということを言っているのだと思われます。

※google ストリートビューが正しく表示されない場合は、 google ストリートビュー内左上にある「Googleマップで見る」をクリックしてください。
■蓬莱峡 ■蓬莱峡 ■風吹岩(芦屋ロックガーデン) ■馬の背(須磨アルプス)
 そして、肝心の六甲山を解釈してみます。通説では、「六兒/無古/武庫/務古/牟古」等が、「六甲」に転訛したとされていますが、縄文語解釈では、異なる結果が導き出せます。
 以下、縄文語解釈。

◎縄文語:「六甲山」=「ルッケイ(山)」=「崩れているところ(の山)」=断層の六甲山

 となります。
 そして、六甲山のかつての別名「向津峰」の縄文語解釈。

◎縄文語:「向津(峰)」=「ムィェ・カィ・テュ」=「山頂が・波のように折れ砕けている・峰」

 六甲山の言い換えです。
 縄文語では人や土地が複数の名で呼ばれる例が無数にあります。むしろ、その方が普通だったのではないかとさえ思えるくらいです。とすれば、「六甲」と「向津」も、もともとは六甲山の地勢を指した言い換えの表現で、「六兒/無古/武庫/務古/牟古」は「向津」から転訛したと考える方が自然です。
 「向津」は次のように言い換えることもできます。

◎縄文語:「向」=「ムィ・カィイ」=「山頂が・波のように折れ砕けているところ」

 この方が「六兒/無古/武庫/務古/牟古」への流れがスムーズです。
 また、この中の「武庫」に関連して、摂津国風土記逸文に「兵庫」の記載があります。

<摂津国風土記逸文>(『本朝神社考』)
「<前略>兵器を埋めたところは武庫という。今は兵庫という。<後略>」

◎縄文語:「兵庫」=「ピ・オコッ」=「石の・谷」=六甲山

 「兵庫」も六甲山の言い換えです。六甲山のすべての縄文語解釈が、住吉三神の解釈や地勢と完全に一致しています。

 これらを総括すると、住吉三神は決して海の神様などではなく、六甲山の自然崇拝だったということになります。海の神にされてしまったのは、その表記に「表」「中」「底」がたまたま含まれていて、それにこじつけて古代人が想像力豊かに物語を創作したからです。大阪の住吉大社が住吉三神の出所にはなりえない理由はここにあります。
 「住吉」は縄文語解釈で、

◎縄文語:「住吉」=「スマ・ノッ・ヘ(orエ)」=「岩の・岬の・頭」

 となり、大阪では「上町台地の岬」、神戸では「六甲山のふもとの岬」を表します。同じ縄文語を機縁として、神戸の本住吉神社から大阪に勧請されたと考える方が自然ではないでしょうか。


 余談になりますが、神功皇后に関連して、神戸市の「御影」の地名由来譚があります。

【伝承】
「澤之井という泉があり神功皇后がその水面に御姿を映し出したことが「御影」の名の起こり」

 他の例と同様に考えれば、この由来も疑わしく見えてきます。
 以下縄文語解釈。

◎縄文語:「御影」=「メカ・ケ」=「沢と沢の間に細く伸びている山の・ところ」=御影地区に伸びている峰
◎縄文語:「澤之井」=「サ・ウォロ・イ」=「浜を・水に浸している・ところ」=浜の泉

 つまり、「六甲山から流れ出る沢に挟まれた峰の、浜に湧いている泉」という意味です。


■御影地区

▼目次
第一部 「縄文語と上代日本語の隠された境界線」
【百済系敏達天皇で王朝交代!蘇我氏本家を滅ぼし、大化の改新は言語まで変えた!】
第二部 「記紀、風土記のウソを徹底的に暴く」
【No.1】香久山は「弓の形の山」だ!風土記は後世の人々を騙すためのデタラメが満載!
【No.2】愛宕山は「ぽつんと離れた山」の意!「カグツチ」という火の神などいない!
【No.3】住吉三神は「六甲山の自然崇拝」。海の神ではない!
【No.4】仲哀天皇偽陵の「五色塚古墳」は「岩崖の墓」の意だ!
【No.5】「処女塚」も「求女塚」も悲恋物語とは関係ない!「砂浜の入り江の古墳」の意だ!
【No.6】「因幡の白兎」も大ウソこじつけ物語!「将軍塚」に将軍は眠らない!
【No.7】「稲荷神」「狐」もデタラメ!お揚げをお供えしても無駄!
【No.8】「八雲立つ出雲」は「先住民の入り江」!宮崎の巨大古墳「弥五郎塚」は「先住民の墓」!
【No.9】「八幡大神」などいない!八幡と富士見は同語源の「川端」!「富士山が見える」のは偶然だ!
【No.10】「羽衣」は単なる「岬の頭」!「羽衣伝説」は縄文語に渡来系物語が便乗しただけだ!
【No.11】「天日槍」は新羅から来ていない!城崎温泉から来ただけだ!
【No.12】本当に「高麗」に高麗人が移り住んだのか?全国の「高麗」の地勢は「湾曲した川」だ!
【No.13】「甲斐の黒駒」は本当に馬か?全国の「黒駒」の地勢は「山裾の湾曲した川」だ!
【No.14】「百済」は「川や湾の入口」の意!風土記はしゃあしゃあとウソをつく!
【No.15】ウソつき神様大集合!天照、事代主、八幡、稲荷、住吉、金刀比羅のデタラメを暴く!
【No.16】地名の八王子も王子信仰もウソっぱち!牛頭天王も縄文語の地名に空想物語が便乗しただけ!
【No.17】旧国名はデタラメ由来だらけ!常陸、総、伊豆、駿河、尾張、伊勢、伊賀、摂津、豊、筑紫、肥、日向、風土記は悪意に満ちた大ウソつきだ!
【No.18】「椀貸」は「岸の外れ」の意!椀貸塚古墳は「椀」を貸してはくれない!
【No.19】「造山」「作山」は「自然地形を利用した古墳」の意だ!「作石」の石の宝殿は「あの世への入口」だ!
【No.20】「銚子塚古墳」は「中くぼみの山」で「前方後円墳」の意!酒器の「銚子」とは似ても似つかない!
【No.21】まんじゅう、松、馬、万、升、窓、古墳も地名もすべて「マーテュ=波打ち際」の意!風土記に騙されてはいけない!
【No.22】楯縫は楯を作っていない!「こちらの湿地」の意だ!
【No.23】「日置」は「山裾」の意、「日置部=砂鉄の生産地」ではない!
【No.24】「金鶏伝説」のデタラメを暴く!「金の鶏」など埋めていない!
【No.25】「薬師如来」も縄文語に便乗しただけ!全国の「薬師」は「岸の末端」だ!
【No.26】「荒川」は「荒れる川」ではない!「タマ川」と同義、「一方の川」の意だ!
【 あ と が き 】

◎参考文献: 『地名アイヌ語小辞典』(知里真志保著、北海道出版企画センター)※参考文献を基に、筆者自身の独自解釈を加えています。/『日本書紀 全現代語訳』(宇治谷孟 講談社学術文庫)/『古事記 全訳注』(次田真幸 講談社学術文庫)/『風土記』(中村啓信 監修訳注 角川ソフィア文庫)/『古語拾遺』(西宮一民校注 岩波文庫)/『日本の古代遺跡』(保育社)/wikipedia/地方自治体公式サイト/ほか

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