書籍購入 電子書籍閲覧方法
サイトトップ/日出ずる国のエラーコラム[総集編]

日出ずる国のエラーコラム


※ただいま電子書籍内容全編無料公開中です。


日出ずる国のエラーコラム[総集編]
No.20 「銚子塚古墳」は「中くぼみの山」で「前方後円墳」の意!酒器の「銚子」とは似ても似つかない!

 「銚子塚」は江戸時代の考古学での前方後円墳の通称で、通説では「銚子の側面に似た形の丘陵」を由来としています。「銚子」は徳利のことではなく、急須やそれに柄のついたような酒器です。前方後円墳に似ているでしょうか。

 また、千葉県の地名の「銚子」は、かつて「銚子口」と呼ばれ、入口が狭く、中に入ると広い空間があり、一般的には、酒器の銚子に似ているということが由来とされています。
 筆者には、このような漢字表記にこじつけた地名譚がほとんど信じられません。「銚子」は縄文語の「チーで、もともと「中が凹んだ形状」を表し、それが利根川河口の地形を意味する「銚子口」の語源になったのではないかと考えています。川の形状というよりも、銚子半島の形状とした方がしっくりきます。

◎縄文語:「銚子口」=「チー・クッチャ」=「中凹みの・河口」


■銚子周辺
 「中に入ると広い云々」は、いつもの後世の人々のこじつけ解釈です。
 徳利の別名である「お銚子」は、本来の酒器とは異なるので誤用だとされていますが、もしかすると、もともと「チー「くびれを持った器」の太古からの名称で、「銚子」という漢字が充てられたために、解釈の混乱が起きているのかもしれません。
 つまり、銚子を冠する古墳を縄文語解釈すると、

◎縄文語:「銚子塚/銚子山古墳」=「チー(塚/山)」=「中凹み(塚/山)」=前方後円墳

 となります。「銚子の側面」とするよりも、「中凹みの塚/山」とした方が直接的な表現で理解しやすいです。「朝子塚」「丁子塚」などの表記の揺らぎも簡単に説明できます。
 とすれば、「銚子塚」というのは、縄文語が話されていた時代からの古い名称ということになります。それが、江戸地誌や考古学に採用され、「酒器の銚子に似ている」というこじつけ解釈が付け加えられたのかもしれません。

 下記、滝の【参考】例を見ると、「銚子(チー)」という縄文語は確実に使われていたと考えられます。決して酒器の銚子の形には似ていません。 各地の古墳の築造時期は縄文語使用の目安となります。

 また、「茶臼=チャ=館/砦」の意とも考えられる「茶臼山古墳」ですが、これももしかすると「チー=中凹みの塚」が語源で「前方後円墳」を指したのかもしれません。同様に「勅使塚古墳」も可能性があります。


【統計「銚子」を冠する滝が「中くぼみ」の形状になっている確率。※滝の途中に凹みがあり、段になっている形
・27/28=96.4%

【統計
「銚子(他表記含む)」を冠する古墳が「中くぼみ」の形状(前方後円墳)と一致する確率。
・11/11=100%

【統計
「茶臼」を冠する古墳が「中くぼみ」の形状(前方後円墳)と一致する確率。
・16/16=100%


【参考1】全国各地の「銚子」を冠する滝。滝の途中に凹みがあり、段になっている形
銚子大滝(青森県十和田市奥瀬)※段のある滝。お銚子には似ていない。 銚子ヶ滝(福島県郡山市熱海町石筵)※段のある滝。 銚子の滝(秋田県山本郡藤里町)※段のある滝。 ⇒google map
銚子の滝(秋田県鹿角市十和田大湯)※段のある滝。 ⇒google map
銚子の口滝(滝川渓谷/福島県東白川郡矢祭町大ぬかり)※段のある滝。 ⇒google map
銚子の滝(山梨県南巨摩郡富士川町十谷)※段のある滝。 ⇒google map
銚子口二段の滝(山梨県南巨摩郡富士川町十谷)※段のある滝。 ⇒google map
銚子滝(新潟県村上市蒲萄)※段のある滝。
銚子滝(富山県南砺市皆葎)※段のある滝。
銚子口の滝(静岡県静岡市清水区由比入山)※段のある滝。 ⇒google map
銚子ヶ淵の滝(静岡県富士市鵜無ケ淵)※段のある滝。 ⇒google map
銚子ヶ渕(静岡県駿東郡小山町竹之下)※段のある滝。 ⇒google map
銚子口の滝(静岡県裾野市下和田)※段のある滝。 ⇒google map
銚子(五竜の滝の一つ)(静岡県裾野市千福)※リンク先写真左側の段のある滝。 ⇒google map
銚子の滝(岐阜県高山市丹生川町旗鉾)※段のある滝。 ⇒google map
銚子滝(岐阜県関市板取)※段のある滝。 ⇒google map
銚子滝(赤目四十八滝)(三重県名張市赤目町長坂)※段のある滝。⇒赤目四十八滝(赤目四十八滝渓谷保勝会)公式HP
銚子ガ滝(福井県三方上中郡若狭町気山)※段のある滝。⇒google 画像検索
五銚子の滝(滋賀県長浜市木之本町杉野)※五段になって流れ落ちる滝。⇒google 画像検索
調子ヶ滝(滋賀県高島市マキノ町牧野)※段のある滝。⇒google map
銚子滝(奈良県吉野郡上北山村)※段のある滝。⇒google 画像検索
銚子の滝(和歌山県有田郡有田川町上湯川)※段のある滝。⇒google map
銚子の滝(和歌山県東牟婁郡串本町伊串)※段のある滝。⇒google map
銚子滝(香川県小豆郡土庄町肥土山)※段のある滝とは言えない。銚子渓にあるのが命名由来か。銚子渓は「上流と中流域の間が狭くなっている渓谷」の意ではないか。⇒google map(地形図)
銚子の滝(愛媛県新居浜市大生院大野)※段のある滝。⇒google map
銚子滝(愛媛県伊予郡砥部町川登)※段のある滝。⇒google map
銚子滝(高知県土佐郡大川村大)※段のある滝。⇒google map
銚子の滝(大分県佐伯市本匠大字小川)※段のある滝。⇒google map


【参考2】銚子塚/銚子山古墳代表例
高柳銚子塚古墳(千葉県木更津市/5世紀中頃/前方後円墳)
白岩銚子塚古墳(埼玉県神川町/6世紀前半から中頃/前方後円墳)
牛渡銚子塚古墳(茨城県かすみがうら市/5世紀中頃/前方後円墳)
朝子塚古墳(群馬県太田市/4世紀末~5世紀初頭/前方後円墳)
甲斐銚子塚古墳(山梨県甲府市/4世紀後半/前方後円墳)
岡銚子塚古墳(山梨県笛吹市/4世紀後半/前方後円墳)
寺谷銚子塚古墳(静岡県磐田市寺谷丁子塚/5世紀中頃/前方後円墳)
丁子塚(三重県亀山市/4世紀末/前方後円墳)※ヤマトタケル陵墓治定
網野銚子山古墳(京都府京丹後市/4世紀末~5世紀初頭/前方後円墳)
一貴山銚子塚古墳(福岡県糸島市/4世紀後半/前方後円墳)
銚子塚古墳(佐賀県佐賀市/4世紀末/前方後円墳)


【参考3】茶臼山古墳代表例
羽生田茶臼山古墳(栃木県下都賀郡/6世紀後半/前方後円墳)
赤堀茶臼山古墳(群馬県伊勢崎市/5世紀中頃/帆立貝形古墳)
別所茶臼山古墳(群馬県太田市/5世紀前半/前方後円墳)
小幡茶臼山古墳(愛知県名古屋市/6世紀中頃/前方後円墳)
青塚古墳(別名:茶臼山古墳)(愛知県犬山市/4世紀中頃/前方後円墳)
天王寺茶臼山古墳(大阪府大阪市/5世紀/前方後円墳)
太田茶臼山古墳(大阪府茨木市/5世紀中頃/前方後円墳)
池田茶臼山古墳(大阪府池田市/4世紀中頃/前方後円墳)
桜井茶臼山古墳(奈良県桜井市/4世紀初頭/前方後円墳)
膳所茶臼山古墳(滋賀県大津市/4世紀末~5世紀初頭/前方後円墳)
木の岡茶臼山古墳(滋賀県大津市/5世紀/前方後円墳)
浦間茶臼山古墳(岡山県岡山市/3世紀末/前方後円墳)
中山茶臼山古墳(岡山県岡山市/古墳時代前期/前方後円墳)
和田茶臼山古墳(岡山県赤磐市/5世紀後半~末/帆立貝形古墳)
富田茶臼山古墳(香川県さぬき市/5世紀前半/前方後円墳)
高松茶臼山古墳(香川県高松市/4世紀末/前方後円墳)
柳井茶臼山古墳(山口県柳井市/4世紀/前方後円墳)


【参考】「勅使」を冠する古墳
■院内勅使塚古墳(石川県七尾市/7世紀前半/方墳)※方墳なので、別語源か。
■勅使塚古墳(富山県富山市/3世紀末/前方後方墳)
■勅使塚古墳(茨城県行方市/5世紀後半/前方後方墳)
■勅使塚古墳(茨城県小美玉市/円墳)※円墳なので、別語源か。

▼目次
第一部 「縄文語と上代日本語の隠された境界線」
【百済系敏達天皇で王朝交代!蘇我氏本家を滅ぼし、大化の改新は言語まで変えた!】
第二部 「記紀、風土記のウソを徹底的に暴く」
【No.1】香久山は「弓の形の山」だ!風土記は後世の人々を騙すためのデタラメが満載!
【No.2】愛宕山は「ぽつんと離れた山」の意!「カグツチ」という火の神などいない!
【No.3】住吉三神は「六甲山の自然崇拝」。海の神ではない!
【No.4】仲哀天皇偽陵の「五色塚古墳」は「岩崖の墓」の意だ!
【No.5】「処女塚」も「求女塚」も悲恋物語とは関係ない!「砂浜の入り江の古墳」の意だ!
【No.6】「因幡の白兎」も大ウソこじつけ物語!「将軍塚」に将軍は眠らない!
【No.7】「稲荷神」「狐」もデタラメ!お揚げをお供えしても無駄!
【No.8】「八雲立つ出雲」は「先住民の入り江」!宮崎の巨大古墳「弥五郎塚」は「先住民の墓」!
【No.9】「八幡大神」などいない!八幡と富士見は同語源の「川端」!「富士山が見える」のは偶然だ!
【No.10】「羽衣」は単なる「岬の頭」!「羽衣伝説」は縄文語に渡来系物語が便乗しただけだ!
【No.11】「天日槍」は新羅から来ていない!城崎温泉から来ただけだ!
【No.12】本当に「高麗」に高麗人が移り住んだのか?全国の「高麗」の地勢は「湾曲した川」だ!
【No.13】「甲斐の黒駒」は本当に馬か?全国の「黒駒」の地勢は「山裾の湾曲した川」だ!
【No.14】「百済」は「川や湾の入口」の意!風土記はしゃあしゃあとウソをつく!
【No.15】ウソつき神様大集合!天照、事代主、八幡、稲荷、住吉、金刀比羅のデタラメを暴く!
【No.16】地名の八王子も王子信仰もウソっぱち!牛頭天王も縄文語の地名に空想物語が便乗しただけ!
【No.17】旧国名はデタラメ由来だらけ!常陸、総、伊豆、駿河、尾張、伊勢、伊賀、摂津、豊、筑紫、肥、日向、風土記は悪意に満ちた大ウソつきだ!
【No.18】「椀貸」は「岸の外れ」の意!椀貸塚古墳は「椀」を貸してはくれない!
【No.19】「造山」「作山」は「自然地形を利用した古墳」の意だ!「作石」の石の宝殿は「あの世への入口」だ!
【No.20】「銚子塚古墳」は「中くぼみの山」で「前方後円墳」の意!酒器の「銚子」とは似ても似つかない!
【No.21】まんじゅう、松、馬、万、升、窓、古墳も地名もすべて「マーテュ=波打ち際」の意!風土記に騙されてはいけない!
【No.22】楯縫は楯を作っていない!「こちらの湿地」の意だ!
【No.23】「日置」は「山裾」の意、「日置部=砂鉄の生産地」ではない!
【No.24】「金鶏伝説」のデタラメを暴く!「金の鶏」など埋めていない!
【No.25】「薬師如来」も縄文語に便乗しただけ!全国の「薬師」は「岸の末端」だ!
【No.26】「荒川」は「荒れる川」ではない!「タマ川」と同義、「一方の川」の意だ!
【 あ と が き 】

◎参考文献: 『地名アイヌ語小辞典』(知里真志保著、北海道出版企画センター)※参考文献を基に、筆者自身の独自解釈を加えています。/『日本書紀 全現代語訳』(宇治谷孟 講談社学術文庫)/『古事記 全訳注』(次田真幸 講談社学術文庫)/『風土記』(中村啓信 監修訳注 角川ソフィア文庫)/『古語拾遺』(西宮一民校注 岩波文庫)/『日本の古代遺跡』(保育社)/wikipedia/地方自治体公式サイト/ほか

©Kagetsu Kinoe